2020.11.03
official Interview

eillの約1年ぶりとなるミニアルバム「LOVE/LIKE/HATE」が完成! 自身も泣いた「片っぽ」を含む本作は、eillの“内側”をオープンにした意欲作! サウンド面でも新しい顔が並んだ本作に、彼女が込めた思いとは!? 各曲の制作背景と共にたっぷり語ります!
——今回はどのようなミニアルバムをめざしたんですか?

eill:去年の年末くらいに今回のタイトルを考え始めたんです。去年の『SPOTLIGHT』まではeillの物語を自分で作るイメージ。あのアルバムで「MAKUAKE」から「SPOTLIGHT」までのeillの第一章が終わって、次は第二章に入るための作品なんだってイメージしてから作りました。
——タイトルを先に考え始めたそうですが、今回の「LOVE/LIKE/HATE」はどんな思いから付けたんですか?

eill:このタイトルは「愛は憎しみのように」という意味なのですが、中学生くらいのときから誰かに優しくされたり、家族に愛情をもらって守られたりするたびに自分のことを嫌いになってしまうんです。自分はその愛を受けとめきれる人間ではない、みたいな。で、どんどん自分の中でヘイトが生まれていくんです。
——周りからの愛をプレッシャーに感じちゃうっていうことですか?

eill:プレッシャーというわけでもないんですけど。幼い頃とか身体が弱かったんで、守ったり助けてくれる友達がたくさんいたんです。でも自分はダメなばっかりで、弱いばっかりで、そんな自分嫌だ、みたいになっていく。でも、そう思って何もできなかった自分に現れたものが音楽だったんです。愛情を注いでくれる人たちに、歌うことで返していきたいって思えるようになったから。音楽があったことで今があるから。それが私の歌う原点なんです。そういう原点みたいなものを今回のアルバムに入れたくて、このタイトルにしました。第二章に進むんだったら、外から見たeillよりも、もうちょっと私という人間の内側を見せたいなと思ったんです。
——今回、サウンド面はどのようなことを意識していましたか?

eill:今までのeillは結構R&Bに寄っていたんですけど、今回は「片っぽ」のバラードも初挑戦だし、ロックだったり、ファンクだったり、今までやったことないことをやりつつ、今までの格好良さを残すっていう。そこがすごく大変だったアルバムです。バランスにめっちゃ悩みました。 
——今まで以上に、曲をブラッシュアップする作業に手間暇をかけた感じですか?

eill:そうです。宮田(’レフティ’リョウ)さんと曲を作ると本当に秒で曲ができるんですけど、それを格好良くしていく時間がめちゃくちゃかかった。新しいことへの挑戦に不安になりながら、「これで大丈夫かな」「このアレンジでいいのかな」って思いながら作ってました(笑)。
——第一弾シングルの「FAKE LOVE/」を聞いたとき、「SPOTLIGHT」の延長にありながら、その路線をもっとポップでアッパーに変化させた印象を受けたんです。次に「踊らせないで」がリリースされたときも、ハジけてる感が出てきたなと思っていました。

eill:そうです。ずーっと「ンンー…」って溜めてたものがバーンと爆発した感じ(笑)。自分でもそういうところに意識して作っていました。今までは絶対選ばないようなメロディーを採用したり、英語詞に逃げてたところを日本語詞にしたり。逆に前は、そういうところで抑えたり、我慢していた部分もあったんです。そういうストレスがなく今回は作れました。
——どういう風にメロディーが変化したんですか?

eill:今まではコーラスをめちゃめちゃ積まないと成立しないメロディーが多かったんです。「SPOTLIGHT」とかめちゃめちゃ積んでるし、「FUTURE WAVE」なんか積みまくってる。そうじゃなくて、メロディー1本だけで成立するものが今回多いです。
——自分でも「これはコーラス、要らないな」と思うんですか?

eill:逆に邪魔だなって。メロディーの良さを損ねちゃうなって。不安でしたけどね、“いいの、これで?”って。自分でもびっくりでした。何がどう変わったのかわからないんですけど。
——ここからは1曲ずつ話を伺いたいんですが、本作1曲目「踊らせないで」は初めてのドラマ主題歌(テレビ東京ほかドラマ25「女子グルメバーガー部」)になりました。これはドラマから着想を得て作ったんですか?

eill:ドラマの台本を読んで、自分の感情とリンクする部分があったんです。殻を割りきれないとか、誰かに言われたことをやってしまうとか、人の目を気にしてしまうっていう。自分にあるその感情に気付かせてくれで出来た曲です。
——同時に、絵本も創作のヒントになったと聞きました。

eill:何か曲作りのネタになるものがないかなと思って図書館に行ったときに、「夢にめざめる世界」(ロブ・ゴンサルウェス)という絵本をたまたま見つけたんです。めくっていったら、広場ですごく楽しそうに踊ってる人たちの体に糸が付いていて、上から神様みたいな人が操ってる場面があったんです。で、糸がまだ付いてない男の子がその様子を不思議そうに見ているっていう。そのときにドラマの台本も読んでいたから、これだ!って2つが繋がったんです。
——歌詞を通じて伝えたかったことは?

eill:誰しも、どんな些細なことでも悩みはひとつくらいあるじゃないですか。自分に対する思いだったり、他人に対する思いだったり、いろいろあるけど、この曲を聞いて、本当の自分の姿とか自分がしたいことに気付いて欲しいなって思ったんです。それは自分にも向けていて。「eillってこうだよね」みたいなものに踊らされている自分がいたりしたので、「そうじゃない」と。私は本当はこんなことをしたいんだ、っていうことを詰め込んだ曲になったなと思います。
——気持ちとしては「踊りたい」とか「踊らせて」なのに、「踊らせないで」という、ひねったタイトルにしたところがeillらしいと思いました。

eill:最初から “誰かのステップで決まったリズムで踊らせないで”っていう歌詞を書いていて。あなたに言われたことで踊らされないわよ!っていう気持ちを込めたかったんです。それでこのタイトルにしました。
——殻を破りたいという欲望ではなく、破れないという葛藤。自分自身に抗う気持ちにフォーカスしてるんですよね。冒頭に話した自己嫌悪の感じがこのタイトル表現に繋がっているように思います。

eill:そうですね。自分にかかってる呪いを自分で解きたいっていう気持ちなので、自分に対するヘイトだなって。
——2曲目「片っぽ」は、どのようなきっかけから生まれたんですか?

eill:今回のミニアルバムのリード曲制作を5月頃にしていて。宮田さんと1ヶ月で20曲くらいデモを作ったんです。でも、本当に良いものができなくて「ヤバイ、どうしよう?」みたいな。まだ緊急事態宣言中だから私は家の周りを散歩する程度でネタを探していて。ある日の朝、もう曲が書けなくて泣いて、なんで私は泣いてるんだろう?って思いながらピアノの前に座ったら、この曲のサビのメロディーが歌詞も一緒に出てきたんです。
——泣いたことがきっかけになった?

eill:たぶん、そう。そのときを境に感情が生まれたんです。それまではマジで何を見ても泣けないし、何を見ても笑えないし、みたいな。だから曲ができなくて。もともと涙もろいからふとしたことですぐ泣くんですけど、そういうこともない。それで感情が見当たらないなと思ってるなかで、その朝に泣いたんですよ、わけもわからず。それでたぶん曲ができたんですよね。感情のスイッチが再び入った。
——初めてのバラード曲になりましたが、当初からバラードとして作り始めたんですか?

eill:今までテンポが早い曲ばかり出してきましたけど、自分がひとりでピアノに向かったときに出てくるメロディーは、こういうゆったりしたものが多いんです。今回のミニアルバムは、eillの第二章に入るための作品というイメージで作っていて、本当の自分をもっと見て欲しいという思いがあったんです。
——そのためにeillの王道を示そうという感じ?

eill:王道じゃなくて、本当の自分。自分の本質。だから、レコーディングしてるときも裸を見られてる感覚になって。歌入れしてるときに泣いたんですよ。そんなこと今までなかったから自分でもびっくりしました。MVを撮ってるときも泣いたし、そのくらい気持ちが勝手にこもっちゃう曲なんだろうなって。
——歌詞のテーマを教えてください。

eill:「片っぽ」というのは片思いのことを言ってるんです。これは一途な片思いの楽曲で。すごく大好きで愛という感情はお互いあるのに、片っぽは恋愛としての愛、片っぽは友達としての愛とか。恋愛に限らず、親子関係や、夢とかに対しても一方通行の感情ってあるじゃないですか。そのときのもどかしさ。そういう片っぽな感情に寄り添えたらいいなと思いながら作りました。
——幅広い音域をさまざまな声色で表現したボーカルも見事でした。そもそもこの曲は過去最高にキーが高いんじゃないですか? 

eill:高いですよ、自分にとっても。もともと作ったデモのときは感情のまま歌ってたから、このキーなんです。でも、“これじゃ高いぞ”と思って、2つ下げたデモをスタッフに提出したんです。そしたらなんか違うって言われて。そこで今までのeillだったら声の成分的にも2個下げでやるなと。ただエモさとか切なさを出すんだったら今のキーなんですよ。高いから歌うのは難しいですけど、曲の良さを伝えるためにキーを上げたんです。
——「片っぽ」は、どのような人に聞いてもらいたいですか?

eill:報われない恋をしていたり、報われない思いを抱えてる人たちに聞いてもらいたいです。結局最後までこの曲の主人公は報われないんです。でも、その気持ちを心に咲かせておくよと言って自分の胸に収めている。すごく痛みは残ってるんだけど、それがまたひとつの愛を生んでいくというか、痛みは消せなくても分かち合うことはできると私は思っているんです。だから、何か痛みを抱えている人たちに聞いてもらいたい。この曲を通じて私とあなたで繋がって、その痛みを分かち合えたらいいなと思ってます。
——続く「Into your dream」は、Kan Sanoさんがアレンジとプロデュースを担当しています。彼とコラボしたいというアイデアが先だったんですか?

eill:いや、もともとは宮田さんと曲作りしている中でできた曲です。格好良いなと思ってて、これはアルバムに絶対入れると決めてたんです。でも、これをプロデュースしてもらうならKan Sanoさんだと。高校生の頃からKan Sanoさんが大好きでライブにも行ってた経緯もあり、今回プロデュースを頼みました。
——Kan Sanoさんにはどのように伝えたんですか?

eill:Kan Sanoさんが思うようにプロデュースしてくださいと。そしたら、デモではサビで盛り上がる展開だったのが、「落としてきたー!」と思って。
——そうだったんですね。あのサビがクールで格好良かったです。

eill:ですよね? しかも、デモはブリブリのベースだったんです。そこをピアノでちゃらーんと行くんだって。すごいと思いました。
——サビにはKan Sanoさんのユニゾンコーラスが入っています。

eill:それもKan Sanoさんが入れてきてくださったんです。だから、余計驚きがすごくて。ピアノも入ってるし、歌も入ってるし、初めて聞いたとき変わり様に笑っちゃいました。「アレ? 誰の曲だっけ?」みたいな。そこまで一気にKan Sanoさんカラーになるって、やっぱりすごいなって。
——こういうアダルトな雰囲気の曲調はこれまでなかったから新鮮でした。

eill:曲のコンセプトがそうだったから、Kan Sanoさんにお願いしたところもあります。歌詞はKan Sanoさんのアレンジのあとに書いたんですけど、歌詞を乗せる前から艶感のある曲にしてくださって。たぶん、オトナな楽曲だっていうところに気付いてくださってたんだと思います。
——歌詞はどんなイメージで書いたんですか?

eill:猫を飼っている女性が終わりの見えない恋をしていてすごく苦しんでいる姿を思い浮かべながら書きました。
——終わりの見えない恋とは?

eill:体だけの関係とか。そういう恋を好んでする人もいるじゃないですか。
——セックスだけが目的みたいな?

eill:そう。話を聞くと、そういう人も悩んでて辛いっていうんですよ。本当はもっとピュアな恋をしたいと思っていたりとか。だけど、結局体だけになってるみたいな。それをテーマにした曲を作りたいと前々から思っていて。そんな女性に自分の本当の気持ちに気付いて欲しくて書いたんです。
——ボーカルもどこかクールですよね。

eill:2人共冷たくてドライなんだけど、主人公の女の子は幸せになりたいと実は願っているっていう。でも、その切なさとかドロドロした部分をこの曲では美しく描きたいと思って、歌い方も一歩引いて歌ったんです。Kan Sanoさんも最初エモく歌ってくれてたんです。でも、それだと違うと思って“棒歌い”してもらって。温度感がないようであるっていうところを大事にしました。
——火は付いてるけど、燃え上がってないっていう恋というか。

eill:そう。あと、この曲にはkick a showさんの飼い猫の“半蔵”の声が入っています。猫を飼ってる女性のイメージだったから、絶対猫の声を入れたくて。kick兄に連絡して、半蔵の声をちょうだいって。だから、CDのSpecial ThanksにもKick a Showじゃなくて”半蔵”ってクレジットしてます(笑)。
——続く「FAKE LOVE/」は、冒頭のeillさんの言葉を借りるなら、eill第二章の幕開けだという意識で作った曲なんですか?

eill:私の中ではロックファンクみたいな感じをイメージしていて。ギターから始まる曲は今までそんなにないし、新しいeillを2020年1発目に見せるとしたらこういう曲だなと思って作りました。
——「FAKE LOVE/」の歌詞でテーマにしたことは?

eill:失恋をパワーに変えて強くなろう、みたいなことを歌っていて。愛が憎しみに変わって、愛はひとつも残ってなくて、私はあなたを見返すぞ!みたいな楽曲です。それをポップな感じで歌おうと。
——MVもポップでカラフルな仕上がりでした。

eill:本人がこんなに出ているMVはなかったし、洋服がいっぱい出てくるから、特に女の子の反応が良くて。あそこまでカメラにガツッとアクションすることはなかったので、私もすごく勉強になりましたし、MVに出るのも楽しいかもと思った作品でした。
——「Night D」は、思いっきり80年代シンセポップに寄せたサウンドですね。

eill:すごく前に、80sな曲を作ってみっか?みたいな軽いノリで作ったことがあったんです。でも、そのデモが結構ダサめで(笑)。で、1回やめてたんですけど、そのコンセプトで80KIDZさんにトラックを下さいとお願いして頂いたのがこれだったんです。そこに私がメロディーをつけて歌詞を書いていったら、こうなったっていう。
——「Night D」の歌詞はどんな世界観をイメージして書いたんですか?

eill:駆け落ちです。私の中で80sの音楽には、ディスコとかのキラキラしてるイメージとか、ドライブっていうイメージがあって。そこから、田舎町でつまらないなぁと思ってる女の子がキラキラしてる都会の男の子と恋に落ちて、駆け落ちするっていうストーリーが浮かんだんです。だから、この曲の主人公は80年代に生きてる人。そういうふうに脳内タイムスリップして書いたんです。
——「夢の続き」は、竹内まりやさんの1987年発表アルバム「REQUEST」収録曲のカバーです。この曲を選曲した理由から教えてください。

eill:この曲を聞いたときに、“重い扉の向こうはいつでも青空さ”っていう歌詞が、今の2020年の空気感とマッチしてるなと思ったんです。コロナで緊急事態宣言中に制作していたたから、その歌詞がすごく沁みて。だから、竹内まりやさんの曲をカバーするなら、この曲だなと思ったんです。
——アレンジは、Friday Night Plan のプロデュースや、宇多田ヒカルの「Too Proud featuring XZT, Suboi, EK (L1 Remix)」のトラックメイクにも参加して注目を浴びているTeppeiさんが手掛けています。

eill:原曲は山下達郎さんのプロデュースでものすごい量の音数なんです。さらにコーラスも分厚く重ねられていて、原曲を聞いていくと、「ここにも入ってる、ここにもあった」ってどんどん出てくるんですよ。それを1個1個確認しながらの作業だったので、コーラスを作るのにすごく時間がかかったんです。歌だけでもそんなに積まれてるからトラックをアレンジするのはもっと大変だったろうなって。その中で、今の時代に合ったシンプルさとか音数の少ない感じに落とし込んでくれたのかなって思います。
——このアレンジはベースが格好良いなと思ってクレジットを見たらKing Gnuの新井和輝さんが弾いててびっくりしました。人気バンドのベーシストをさらっと起用していて(笑)。

eill:新井さんはTeppeiさんが頼んでくれたみたいで。Teppeiさんには、格好いいアレンジをお願いします、ってざっくり伝えたくらいで。ギターのShin Sakiuraさんもそうですけど、Teppeiさんが仲間を集めて作ってくださったんです。
——あと、この曲にはeillさんの歌声の中の甘い成分がたくさん出ているなと思ったんです。可愛い声というか。

eill:それは竹内まりやさんのキャッチーなメロディーとキーがそうさせたんだと思います。ガリッとした声が出せないというか。私は歌にニュアンスをつけることが多いんですけど、ニュアンスをつけすぎると変になるんですよ。だから、そこもすごく研究してレコーディングに臨みました。メロディーに自然と引き出された声ですね。
——「2025」は、SNSでファンに歌声を送ってくださいと呼びかけて作った曲だそうですね。

eill:緊急事態宣言を受けて、ライブができなくなっちゃって。活動ができないぶん、本当にこの期間じゃないと出来ないことというか、だからこそ心に残るものをやりたいと思ったんです。ライブができなくなって一緒に歌うことができない。だったらコロナ過の苦しさをみんなで乗り越えた証を何か作ろうと考えて、ファンの方に声を送ってもらったんです。で、その素材だけを持っていて、今回のミニアルバムを作り始めたときに、この声を使った曲を作ろうと思ったんです。
——タイトルの2025という数字は5年後を意味してるんですか?

eill:そうです。アルバムを作ってる最中に5年後の自分に手紙を書いたんです。今コロナでライブができなくて、みたいなことを書いていて。今回の制作では、スランプがたくさんあって、何回も「ダメだ」と思って、自分が嫌いになってっていうことを繰り返していて。結局、このアルバムを作って私はこれからどう生きていきたいの?って自問したときに、やっぱり歌いたいっていう気持ちが強くあったんです。だから、“あなたがいる限り私はこの声を枯らすことはない”っていう歌詞は、ファンの人たちや未来で待ってくれている人、周りで支えてくれているチームの人たちにも向けているし、5年後の自分自身にも歌ってるんです。
——今年は、さなりやm-flo、Pink Sweat$とのコラボ、EXIDやNEWS、テヨンへの楽曲/歌詞提供と、活動の幅をさらに広げた一年になりました。自身のリリース以外の仕事はどう受けとめていますか?

eill:すごく楽しいです。全員、自分がめっちゃ好きなアーティストさんだから。自分ひとりじゃ叶えられない夢をどんどん叶えていってる感じがします。中学生の自分が聞いたらおったまげびっくりです(笑)
——中学時代の自分に自慢したい?

eill:中学生のときの私は、今の私からは想像できないくらい暗くて鬱々としてたから「もっと頑張れよ」って励ましてあげたいです。大丈夫だよって。生きていけばこの先、いいことがあるぞ。夢に近づいていくぞ!って(笑)。
——最後に、今回のアルバムタイトルに絡めた質問です。eillさんがこれからも愛し続けたいものを教えてください。

eill:最近すごく思うんですけど、やっぱり、すごくたくさんのいろんな人に支えてもらってるなって。曲を作ってる最中も、アレンジしてる最中も、ひとりじゃホントに何もできなくて。みんなが愛情を持って自分のことみたいに頑張ってくれてeillが出来てる。だから、大切な仲間に私から愛を返していきたいなって、このアルバムを作って改めて思いました。ファンの方も含めて、本当に側にいてくれる人をずっと愛し続けようって思いました。
——じゃあ、いまだにどうしてもヘイトというか、嫌いなものは?

eill:自分です。どう頑張ってもやっぱり好きにならないですね。もうずっとなんだと思う。けど、そんな「ダメだ、ダメだ」と思ってる自分を変えてくれるのは周りの人だから。その人たちがいないとどんどん下に落っこっちゃうから。それを支えてくれるのが愛だなって、改めて思ってるんですよね。

「インタビュー・文 /猪又 孝」